あたたかく美味しい秋


週末、息子の友人達を招き、料理教室を開いています。

利平栗でモンブラン、紅玉でアップルパイ。
新そば粉を使い、蕎麦がきやガレット。
収穫したばかりの渋柿と紅アズマで干し柿と干し芋も作りました。




近隣農家さんにいただいた
ずいき(八頭の茎)のアク抜きには大苦戦。
無事油揚げと合わせ美味しい煮物になりました。

今年は手作り醤油も仕込みました。
醤油は、味噌とは違い、たまに手を掛けないと
出来上がっているはずの1年後には悪くなっています。
まるで子供のようですね。

巷には手軽で美味しいものが溢れていますが、
この一手間が、
子供達の胃袋だけでなく
心も満たしてくれることを願っています。

賃金のデジタル払いについて

 あまり大きな話題になっていないように思いますが、令和5年4月1日より、いわゆる賃金のデジタル払いが解禁されています(厳密には、厚生労働大臣による業者の指定がまだなされていないので、この原稿を書いている令和5年11月上旬現在では、実施することはできません。)。要するに、今までは預貯金口座に振り込まれていた給料が、「○○ペイ」にチャージされるというイメージです(全額ではなく給料の一部も可)。
 ただし、会社が強制できるものではなく、労働者の同意がなければ実施することはできません。労働基準法24条に規定されている、「賃金通貨払いの原則」の例外だからです。強制通用力のある通貨で給料を支払うことにより、労働者の生活の安全を確保するという趣旨です。
 デジタル払いの解禁にあたって様々なアンケートを取ったようです。その中には、20代などの若年層はデジタル払いに抵抗はないとする回答の比率が高かったというものがある一方、回答の9割がデジタル払いに反対となったものもあったようです。
 「○○ペイ」は利便性が高いですが、不正利用がなされてしまう危険性や、業者が破綻してしまう可能性は銀行等に比較して高いとも考えられます。「○○ペイ」で受け取ってしまったが現金に替えたい場合に手続きが面倒という意見も強いようです。他方で、日本で銀行口座を作りにくい外国人労働者にはメリットがあるとも言われています。会社が賃金支払いの際の振込みにかかるコストを抑えられるというメリットもあるようです。
 私も最近になってようやく「○○ペイ」を使うようになりました。便利だなと思う一方、現金が減っていく感覚がなく、気が付くと使い過ぎてしまっているということもあります。デジタル払いが主流となったら、かつてのカード破産の大流行のようなことにならないかと心配してしまいます。今後実施されるにあたっては、会社が制度を強制することなく、かつ、労働者がしっかりとメリットデメリットを判断した上で同意をするかどうかを検討することが必要なのだろうと思います。

UFOキャッチャー

主人と娘がUFOキャッチャーにハマっており、ゲームセンターを見かける度にプレイしています。私がお金の無駄だとギャーギャー騒ぐからか、二人で遊びに行くことが多く、帰ってくると大きなぬいぐるみをゲットしてきたり、すごいものだと20巻程度で完結した漫画全巻セットをゲットしてきたりしています。ロマンがあるのかもしれませんが、そこそこお金をかけて何も得られないことも多いので、ハマりすぎないで欲しいなと思うこの頃です。

ジェンダー・アイデンティティと憲法に関する最近のニュース

 最高裁判所は、令和5年10月25日、大法廷で、トランスジェンダーの方(以下では法令上の表現に従い、性同一性障害者といいます。)の戸籍上の性別の変更に生殖腺を取り除く必要があると定める法律の規定を違憲とする判断を示しました。(原文は以下のリンクから読むことができます。https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92446)
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律は、性同一性障害者が法的な性別の取扱いの変更を受けるための条件として「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」を含む諸条件を定めています。今回の最高裁決定は、性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けることが「重要な法的利益」であることを前提に、この規定が、治療として手術を要しない性同一性障害者に対して生殖腺除去手術を受けることを余儀なくさせるという点で、憲法が保障する「身体への侵襲を受けない自由」に対する過剰な制約で違憲となると判断しました。
 この規定の憲法適合性を巡って、最高裁判所第二小法廷は、平成31年1月23日、その時点では憲法に違反しないとの決定を出したことがありました。ただし、この決定それ自体においても、身体への侵襲を受けない自由を制約する面があることは否定できず、憲法適合性について不断の検討を要するとされていた上、憲法違反の疑いが生じている旨の裁判官2名の補足意見が付されていました。
 今回の最高裁決定も平成31年の決定も、性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けることを憲法上の権利・自由として挙げてはいません。これに対し、宇賀裁判官は、今回の決定に対する反対意見の中で、これが憲法上保障される「基本的人権」であると指摘しています。憲法上保障される権利として位置付けられるかどうかは、保護の及ぶ場面や範囲、保護の程度に大きく影響します。宇賀裁判官は、他の2名の裁判官の反対意見と同様、この規定だけでなく、他の性別の性器に近似する外観を備えることを要求する規定を違憲とするほか、過去の別事件では、身体への侵襲を受けない自由には関わらない、未成年の子がいないことを要求する規定が違憲であるという反対意見を述べたことがあります。
 今回、多数意見が平成31年の決定を変更したのは、法の施行後1万人を超える者が性別変更審判を受けている中で、性同一性障害者に対する社会的理解、社会生活上の環境整備の取り組みの深まりを受けて規定の必要性が低減したことや、手術を治療の最終段階とする法制定当時の考えから、必要な治療は患者によって異なると医学的知見が進展したこと等を受けたものです。社会情勢の変化によって憲法の理解・解釈が変動し得ると考えれば、今後の私たちのジェンダーアイデンティティに関する権利利益の理解の仕方、多様性に対する向き合い方が、司法判断に変化をもたらす力となると考えられます。

「重監房」を知っていますか

 頼朝さまが愛したという名湯草津、その湯畑から東へ下ったところ、ハンセン病の患者さん約40人が暮らす国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」の一角に、「重監房資料館」があります。
 ハンセン病は、「らい菌」の感染により惹き起こされる、末梢神経障害と皮膚病変を特徴とする慢性疾患で、筋委縮などによる手指変形や視力喪失まで伴うことがあります。「らい菌」の感染力は弱く、薬剤による早期治療で完治しますが、かつては「不知の病」とされ、らい予防法(1931年)の制定などの国策によって、患者とその家族は隔離されました。その隔離施設が、全国に設けられた療養所(現在は国立13、私立1)でした。国策を背景に、ハンセン病は「遺伝病」「業病」とする偏見に支配されて、「らい撲滅」「無らい県運動」が全国に広がるなど患者・家族への差別は激しいものになっていきます。
 「万病に効く湯治場」と言われた草津温泉では、旧くからハンセン病患者が集まるようになって湯之澤という集落を形成していましたが、1932年、全国2番目の国立療養所「栗生楽泉園」が設置され、10年間で患者家族は隔離されます。
 「栗生楽泉園」に、1938年、「特別病室」という施設が設置されました。「特別病 室」とは名ばかりで、正式裁判はおろか警察の取調べも受けられないまま、全国の隔離施設(療養所)から「不穏分子」の患者が送り込まれる「懲罰房」がその実態でした。再び帰って来ることのない「草津送り」の脅しに、全国の療養所の患者は震え上がったといいます。いつしか、特別病室は「重監房」と呼ばれるようになりました。
 真冬には-10℃にもなる草津で、薄い布団だけしかない「病室」は、四方を高さ4mの壁に囲まれ、明かりは、天井近くの小さな四角い窓から入る光だけ。床近くにある差入れ口から、朝晩に、握り飯1個分の麦飯と薄い味噌汁、梅干1個かたくあん3切れの食事が与えられるだけの「重監房」は、まさに孤独・闇・飢餓・酷寒の四地獄でした。
 1947年に地元新聞に取り上げられたのを機に、「重監房」は社会に知られるようになって廃止されましたが、廃止までの9年間で、収監された93人のうち23人が亡くなっています。
 「重監房」跡地が発掘・復元され、元患者さんの運動の末に、栗生楽泉園の隣に「重監房資料館」が設置されたのは2014年です。
 今、資料館を見学した後、足を延ばして「重監房」跡地に立つと、ここで亡くなった患者たちの無念が重く残っているような感覚に捉われます。そして、「らい隔離」の誤りが明確になってもなお「らい予防法」を存続させ、1996年のらい予防法廃止まで実に40年以上もの間、差別・偏見の根源である「らい予防法」を存続させたこの国の政治に、絶望に近いやり切れなさを感じます。
 草津温泉のお湯に浸かる機会があったら、ぜひ、少しの時間を割いて「重監房」を訪ねてみて下さい。
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