コロナウイルスに関係する支援策などの情報提供です

コロナウイルスの感染拡大に伴い、様々な影響が実生活に及んでいます。生活面や経済面では種々の支援制度が創設されていますが、情報が溢れかえっているので、どういう時にどんな制度が使えるのか、分かりづらさを感じている方もいるかもしれません。

ここでは、個人の方向けの支援策を中心に、執筆時点での情報をまとめてみたいと思います(と言いましても情報量が多く、結局分かりにくくなってしまいましたので、ご容赦いただければ幸いです)。

すでに政府や自治体を始め、コロナウイルス関連の支援制度をまとめた情報が様々なところで掲載されていますが、この記事もそのようなものの1つとして適宜ご活用いただければと思います。



1 個人の生活に関係する情報


①ほぼ全員に共通するもの(特別定額給付金)
  ほぼすべての人に関係する身近な支援制度が、特別定額給付金(一律10万円の支給)です。
  これは、年齢や国籍、収入・生活状況を問わず、2020年4月27日時点で住民登録されている方全員が対象となる給付金です住民登録されている自治体に、世帯主が、その世帯全員分の給付金の申請をまとめて行う形が基本ですが、DVや虐待によって避難している方には、世帯主を通さず個別に申請・受領できる場合もあります。
また、自治体によって申請書の様式が異なり、「給付金を受け取る」にチェックをしないと受け取れないタイプや、「給付金は不要」にチェックすることで辞退するタイプがあるようですので、申請の際には注意が必要です。

②生活が困窮している方向け
休業や失業等により収入が減り、生活が困窮している方が利用できる制度として、以下の制度があります。

・住居の賃料の援助制度(住宅確保給付金制度)
 住宅確保給付金制度は、賃貸住居に住んでいる方が困窮した場合に、住居の賃料を自治体が援助する制度です。この制度では、要件に該当すれば、原則として3か月間(最大9か月間)の賃料相当額(世帯人数により決定される上限額があります)が給付されます。個人向けの制度ですので、営業用店舗の賃料の給付を受けることはできません。
 この制度は、コロナウイルスの感染拡大以前から、生活困窮者の自立支援のために存在していましたが、コロナウイルスの感染拡大を受けて、利用できる要件が緩和(失業まで至らなくても、勤務日の減少による減収でも利用しうる等)されています。

・生活資金の貸付制度(緊急小口資金・総合支援資金)
 コロナウイルスの影響により休業又は失業するなどして収入が減少した方の生活を支えるため、緊急小口資金は最大20万円、総合支援資金は最大60万円(月20万円以内で原則3か月以内)の貸付を受けられる制度です。お近くの社会福祉協議会が申請窓口になります(緊急小口資金については、労働金庫も郵送で申請を受け付けています)。
 この制度は給付ではなく貸付制度なので、原則として返済が必要になりますが、返済猶予期間や償還期間(緊急小口資金は2年以内、緊急小口資金は10年以内)が設けられています。また、生活困窮状態が続いている場合、申請により返済の猶予や免除ができる場合もあります。
 また、コロナウイルスの影響で生活困窮者が増大していることを受け、保証人は不要かつ無利子で貸し付けを受けられるようになっています。

・各種支払の猶予
 減収等により経済的に厳しい状況にある場合、税金や公共料金、携帯電話料金等の支払猶予に応じてもらえる可能性があります。また、住宅ローンの返済額や期間の見直しに応じてもらえる可能性もあります。ただ、あくまでも支払猶予なので、いずれは経済状態が回復して返済が追いつく見通しがつく場合に有効なものです。
 また、民間の賃貸業者等でも、減収等の事情によって個別に支払猶予に応じてくれるところもあるようですので、支払が難しくなってしまった場合は、支払先である市区町村や業者等に相談されてみてはいかがでしょうか。


③勤務先が休業した、解雇・雇止め等の不利益な扱いをされたという方向け

・休業手当制度
 多くの業界で、コロナウイルスの影響で勤務先が休業したり、勤務時間が縮小されたりしています。労働基準法上、不可抗力によらない休業の場合、使用者(勤務先会社)は従業員に対して、平均賃金(過去3か月間に払われた賃金の平均額)の60パーセント以上の休業手当を支払う必要があります。
 コロナウイルスの感染拡大防止のための休業に際し、従業員に休業手当を支払った使用者には、政府から雇用調整助成金が支給されます。
  また、新たな政策として、勤務先から休業手当の支払を受けられない従業員が、個人で休業手当に代わる給付金を受け取ることができる制度が創設される動きもありますので、新しい情報を逐一確認する必要があります。

・解雇、雇止め等に対する法的規制
  コロナウイルスの影響で経営が悪化したという理由で解雇や雇止めをされた場合、当然ながら、無条件にその解雇や雇止めが有効になるわけではありません。
  ここでは詳細な説明を省きますが、コロナウイルスの影響によるか否かを問わず、会社の業績悪化を理由に従業員を解雇等する場合には、本当に解雇の必要性があるか、また適正な手順を踏んでいるか等をチェックし、その有効性を判断することになります。
  コロナウイルスの混乱に乗じて、本来は有効ではない解雇や雇止めをされるケースもないとは言えませんので、気になる場合には労基署への相談や法律相談を利用されることをお勧めいたします。

④勤務先が倒産してしまったという方向け
  勤務先の倒産により失業してしまった場合、雇用保険の失業給付(給付日数がこれまでよりも延長される見込みです)や未払賃金立替払制度が、利用しうる制度としてあります。

⑤様々な支援制度を使っても生活が維持できないという方へ
  失業や減収により、様々な支援制度を駆使してもどうしても生活が維持できなくなってしまう場合には、つなぎの手段として生活保護申請をすることをお勧めします。
  また、負債の返済ができなくなってしまったという場合は、併せて自己破産等の債務整理手続を行う必要があります。これは、経済状態を立て直して再出発するための法的制度ですので、必要があれば積極的に利用していくべきものだと思います。

⑥その他(コロナウイルスに関連する消費者問題)
  生活困窮問題以外にも、コロナウイルスに関連して、様々な問題が生じています。一例を挙げれば、結婚式やイベント等をキャンセルした場合のキャンセル料を巡る問題、感染防止効果をうたう商品の売買を巡る問題、公的機関を名乗る詐欺や悪質商法などの消費者問題です。このような問題に対しては、正確な情報をもとに対処していく必要があります。
  万が一トラブルに遭遇してしまった場合は、できるだけ早い段階で消費生活センターへの相談や法律相談等をご利用されることをお勧めいたします。



2 事業者に関係する情報
  事業者に関係する制度については簡単に紹介するにとどめますが、以下のものがあります。

①持続化給付金
 中小企業には上限200万円、個人事業主には上限100万円で、休業による売上の減少分に応じて給付される援助金です。

②雇用調整助成金
 コロナウイルスの感染拡大防止のために従業員を休業させた場合に、雇用主が賃金の60パーセント以上の休業手当を支給した場合、その支給分に応じて雇用主に支払われる助成金です。
 なお、実際にコロナウイルスに感染してしまったために休業した従業員に対しては、休業手当ではなく、健康保険から支払われる傷病手当金によって経済的なフォローをすることになります(従来は傷病手当金制度が無い国民健康保険でも、特例として傷病手校休業等対応助当金が支給される場合がありますので、必要な場合は自治体窓口にお問い合わせください)。

③小学校休業等対応助成金
 学校の休校に伴い、お子さんの世話をするため休業した従業員に有給の休暇(通常の有給休暇を除く)を取得させた場合に、その支払った給与分に応じて支給される助成金です。この制度では、企業だけでなく、同じ事情で休業したフリーランス(個人事業者)用の助成金もあります。

④その他
 中小企業や事業者に対しては、自治体独自の支援制度が創設されている場合もありますので(東京都感染拡大防止協力金等)、所属されている自治体の情報もチェックすることが重要です。
 
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