私がみた弁護士の生態系

1 まずは自己紹介
 平成27年3月2日から4月22日までの間,多摩パブリック法律事務所で弁護修習をしていた25歳男子司法修習生です。去年の9月に司法試験に合格したばかり。ようやく,本当にようやく,「弁護士」と深く接することができました。
 自分が弁護士になろうと思ったのは,小学生のころにアメリカの弁護士宅に2年間ほどホームステイをしたことがきっかけです。私を弁護士にならせたいと画策した両親が,わざわざホームステイ先を弁護士宅にして,弁護士という職業の意識を植え付けたそうな(実話です)。。。弁護士になろうと思った人みんなが,立派な理由を持っているわけではないんですね。
 きっかけはガクッとなりますが,華のキャンパスライフなど無縁の勉強漬けの大学生活を送ったおかげで(これも実話です(笑)),司法試験に合格し,こうして多摩パブリック法律事務所で研修をすることができました。

2 事務局がいないと弁護士は成り立たない!
 私は,修習期間中,弁護士席ではなく,事務局スペースの机をお借りしていました。通常,弁護修習では,空きのある弁護士席をお借りすることが多いと思うのですが,私は事務局スペースにいたことで,貴重な発見が沢山ありました。
 とにかく我が修習先の事務員さんは,弁護士から指示されるあらゆる頼み事をガンガン処理します。その圧倒的な(絶望的な??笑)仕事量たるや(-_-;)。しかも非常に難しい仕事も多いです。弁護士の補助業務は多岐にわたり,戸籍や住民票の調査,書類作成などは,本当に骨が折れます。
 そこで弁護士が成功するための最大のポイントは,事務員さんに対して,指示内容,期限をわかりやすく,そしてなにより、快く引き受けてもらえるような指示をすること。弁護士は概して,忙しくなるとこれを忘れがち・怠りがちにはなりますが,最も大事にしたいと思う事柄です。

3 公設事務所の弁護士たち
 まさに粉骨玉砕。
 多摩パブをはじめとする公設法律事務所は,通常の「私」的事務所とは異なり,「公」の色彩を持っています。それゆえ,公設事務所の弁護士は,超!超!膨大な事件を扱うことになります。
 「自分がやらないで誰がやるんだ」
 みなさん口にはしませんが,仕事に取り組む姿勢から,そのようなオーラを感じます。ここでは弁護士たちが,司法試験を目指した頃の,素朴だけれども,多くの弁護士が忙殺されて忘れがちな,プロとしての気概を持って日々戦っています。
 私は,まるで入所したかのような慌ただしい2か月を過ごしました。なぜ修習生なのにここまでやるのか?と先生方からよく聞かれたように思います。でもそれは,「たくさん吸収したいことがある!!」,そう思わせてくれる素敵な先生方がいたからこそ頑張れたんです。「仕事に対する」姿勢(飲み会に対するそれを除く!)を,心から尊敬しています。

4 最後に
 私は,平成28年の1月から,大阪の法律事務所で弁護士として働きます。
 本当に自分が相談者さんのお役に立てるのか,不安で仕方ない,というのが率直なところです。この不安を払拭するべく,弁護修習が終わってからも,最大限事務所に顔を出して,もっと多くのことを吸収できるように取り組みたいと思います。
 そして近い将来,大阪から立川にまで,「どうやら大阪にいい弁護士がいるらしい」という声が届くような立派な弁護士になることで,しっかり恩返しをしたいと思います。本当に有難うございました。
プロフィール

多摩パブリック法律事務所

Author:多摩パブリック法律事務所
多摩パブリック法律事務所は、多摩地域の法的ニーズに積極的に応えるため、東京弁護士会の全面的バックアップにより設立された公設事務所です!

リンク
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR
月別アーカイブ