障害者差別解消法が改正されました

 平成28年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」といいます。)の改正法が、令和3年6月4日に公布されました。公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日が施行日とされています。
 改正法では、国及び地方公共団体が障害を理由とする差別の解消の推進に関して相互に連携協力する責務規定が追加されました。また、国及び地方公共団体が、障害を理由とする差別に関する相談に対応する人材を育成し、又はこれを確保する責務があることが明確にされました。さらに、地方公共団体が、障害を理由とする差別及びその解消のための取組に関する情報の収集・整理・提供に努めるものとされました。
 なお、合理的配慮(障害のある人が対面している困難を取り除くため、それぞれの障害特性等に応じて個別の調整や変更を実施することであって、その実施に伴う負担が過重でないもの)の提供義務に関して、改正前は、事業者に対して努力義務と課すにとどめていましたが、改正法では、事業者に対して法的義務を課すこととされました。ただ、東京都においては、東京都障害者差別解消条例により、都内で事業を行う者に対して、合理的配慮の提供についてすでに法的義務が課されていますので、実質的に変更はないことになります。
 障害者差別解消法の改正を踏まえ、障害者差別解消条例の見直しを行っている自治体もあるようです。
 ちなみに、平成31年4月1日時点で、全国で104の障害者差別解消条例が制定されており、独自の取組みも多くみられます。例えば、千葉県条例では、障害当事者が差別行為を行った者に対して裁判を起こした場合に、県が裁判費用の貸付等を行うことができる規定を設けています。また、四日市条例では、特に緊急を要する場合、障害当事者の申立てを経ずに市長が職権で救済手続を開始することができることを規定しています。
 障害者差別解消法はまだまだ不十分な法律ですが、法改正をきっかけとして、条例の整備・見直しが進み、こうした取組みが各地で進むといいな、と思います。
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