所有者不明土地に関する法改正


 近年、土地の所有者が死亡しても相続登記がされないこと等を原因として、不動産登記簿により所有者が直ちに判明せず、又は判明しても連絡がつかない所有者不明土地が生じることが問題とされてきました。国土交通省の2017年の調査によると、全国の土地の約2割で所有者が分からない状態にあるということです。この問題に対処すべく、現在開催中の第204回国会に、民法・不動産登記法の改正法案や、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法案が提出されています。これらの法案は、(1)相続等による所有者不明土地の発生を予防するための仕組みや、(2)所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組みを構築するためのものとなっています。
 法案は、(1)との関係では、相続などにより所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があった場合に、登記申請を義務付ける制度(過料有)や、一定の場合に土地所有権の放棄を認め、放棄された土地を国に帰属させる制度等を盛り込んでいます。
 次に、(2)との関係では、共有者が他の共有者の所在を知ることができない場合等は、裁判所が、請求により、①所在等不明共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判や、②所在等不明共有者以外の他の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判、③請求をした共有者に、所在等不明共有者以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として、所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判ができるようになること等が盛り込まれています。
 以上の法案は、本国会での成立が予定されており、基本的には、公布後2年以内の施行が予定されています。ただし、行政側のシステム変更が必要になることもあり、相続登記の義務化は3年以内、住所変更の義務化は5年以内に施行することが予定されています。
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