清算条項について


 裁判上・裁判外を問わず、和解によって紛争を解決する場合には、必ずといっていいほど 「清算条項」を入れます。「甲と乙は、甲と乙の間には、(本件に関し、)本和解条項に定めるほか何らの債権債務がないことを相互に確認する」というものです。この条項があることで、 「あの時はこの内容で和解をしたが、後で気が変わったので追加で慰謝料を請求したい」というような、一度解決した紛争を後日蒸し返すことを防止でき、確定的に紛争を解決することができます。

 しかし、この清算条項があっても、場合によっては新たな請求をすることができることがあります。例えば、交通事故で和解をした後に予想外の後遺障害が発生したような場合には、和解当時には予想できなかった後遺障害であれば、それについて追加で損害賠償請求をすることができます。

 また、「本件に関し」という言葉が含まれない清算条項の場合は、和解の対象となった紛争以外の理由に基づく請求も広く制限されることになりますが、裁判例の中には、制限されるの は、和解の時点で通常予測できる範囲の紛争である(予測できなかった紛争に基づく請求は制限されない)と解釈しているものもあります。

 なお、清算条項によって行使が制限されるのは、あくまでも和解の当事者限りで処分できる権利に限られます。ですので、例えば処分が禁止されている養育費請求権や、公的な権利である年金分割請求権などは、それについて合意しないまま清算条項入りの和解をしたとしても、権利行使は制限されないと考えられています。
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