弁護士の人数と司法過疎・事件過疎

 約3年前に投稿したコラムで、
「各都府県に一つずつ地方裁判所があります(ちなみに北海道には4つあります。答えは次号。)」
と記載したまま、放っておいてしまったことに気づきました。
たいへん失礼致しました。

 そこであらためて、弁護士の人数とからめて少しお話しをさせてください。
 弁護士は、法律により、必ず弁護士会を通じて日弁連に備えられた
「弁護士名簿」に載らなくてはなりません。
また、これも法律に基づき、その地域の弁護士全員が所属する「弁護士会」を、
地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなくてはなりません。
 この点、北海道には面積の広さなどを考慮して、札幌地方裁判所、函館地方裁判所、
旭川地方裁判所及び釧路地方裁判所の4つの地方裁判所が設置されています。
そのため、これら各地方裁判所に対応して、札幌弁護士会、函館弁護士会、
旭川弁護士会及び釧路弁護士会の4つの弁護士会が設置されています。
また、東京には地方裁判所は1つですが、
歴史的経緯から3つの弁護士会が存在しています(東京、第一東京及び第二東京)。
 というわけで、日本全国には合計52の弁護士会が設立されています。

 ところで、日本弁護士連合会(日弁連)の統計によれば、
日本には、2013年3月31日現在で、合計3万3624人の弁護士がいるようです。
これを多いとみるべきでしょうか、あるいは、少ないとみるべきでしょうか。
ちなみに、東京弁護士がもっとも人数が多くて6952人、
函館弁護士会がもっとも人数が少なくて48人となっています。

 東京は、区部と市町村部(いわゆる「多摩地域」)に分かれており、
多摩地域にはだいたい400万人の人々が住んでいるそうです。
これに対して、多摩地域に法律事務所を置いている弁護士は、
だいたい500人と聞いたことがあります。
これも、多いとみるべきでしょうか、少ないとみるべきでしょうか。

 東京や多摩地域は、ほかの地域と比べて弁護士数が多いことは間違いありません。
したがって、いわゆる「司法過疎」の問題を、単純に人数だけで見れば、
東京や多摩地域は弁護士が足りていると評価できるかも知れません。
 他方で、「高齢者」、「障害者」、「外国人」、状況によっては「女性」など、
社会の中で構造的に弱い立場に立たされている方々もいらっしゃいます。
このような方々は、弁護士にアクセスすることが一般に困難と言われています。
この問題を「事件過疎」と呼ぶことがあります。

 事件過疎という切り口からは、多摩地域はもちろん東京にも、まだまだ弁護士が足りない
(≒弁護士が所属する地域に司法のサービスを提供できていない)現実があるかも知れません。
 さらに付け加えると、ここで多摩地域の方々には、個人のほかに、
「中小企業」という自営業者や法人も入ってくることです。
 改善すべき司法アクセスの問題は、相当に幅広いといえるのではないか。
個人的にはそう感じています。

 ※統計データについては、以下のホームページをご参照ください。
http://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/statistics/reform/fundamental_statistics.html
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