都市型公設について

 とつぜんですが、当多摩パブリック法律事務所は、「都市型公設法律事務所」です。
 「公設事務所」といっても、聞き慣れないかも知れません。
公設事務所の定義は、各地の公設事務所にさまざまなバリエーションがあるため、少し難しいです。あえて説明すれば、公設事務所とは、各地の弁護士会や弁護士連合の支援を受けて設立され、不採算事件の積極的な受任など、ひろく公共の利益にかなう業務を行うことを目的とした法律事務所といえるかも知れません(私見ですが。)。

そのようにお聞きになると、お詳しい方は、法テラスと同じではないかという質問を持たれると思います。実際、パブリックは法テラスとおなじ事務所と思われることが少なくありません。業務内容も共通するところがあります。ただし、法テラスは、国の支援を受けた独立行政法人が運営している事務所です。当事務所は、国ではなく、東京弁護士会の支援のもとに設立されています。したがって、同じようで、じつはけっこう違う存在です。

さて、公設事務所はさらに2種類に分かれます。
ひとつは、弁護士がまったくいない過疎地に設立された、「過疎地型」です。
もう一つは、都市部に在住されているものの、これまで弁護士によるリーガルサービスがなかなか提供されてこなかった方々に対し、広く門戸を開こうとする「都市型」です。

はなしは冒頭に戻りますが、当事務所は、多摩地域に設立された「都市型公設事務所」なわけです。
さてさて、この「都市型公設」は、じつは全国に15か所あります。私は、おおむね北から順番に、よどみなくあげていくことができます(笑)。

すずらん基金(札幌)
やまびこ基金(仙台)
東京フロンティア基金(東京・新宿区)
渋谷シビック(東京・渋谷区)
町田シビック(東京・町田市)
東京パブリック(東京・池袋区)
北千住パブリック(東京・足立区)
渋谷パブリック(東京・渋谷区)
多摩パブリック(東京・立川市)
かながわパブリック(横浜)
大阪パブリック(大阪)
ひょうごパブリック(兵庫)
広島みらい(広島)
岡山パブリック(岡山)
あさかげ基金(福岡)

いずれの事務所も、それぞれの任務を背負い、各地で奮闘しています。
そのような都市型公設事務所は、定期的に交流集会を開いており、今年は第4回交流集会が霞ヶ関で開かれました(写真をご参照くださいませ。なお、第1回は湯河原で、第2回は大阪で、第3回は仙台で開かれました。)。
交流集会②

この交流集会は、つまり、全国の「パブ」が大集合です(もっとも、「広島みらい」さんのように、あえて「パブ」を名乗られない事務所もあります。)。
交流集会③


交流集会①

パブ同士で、さいきんの課題を話し合います。同じ目的意識を持った弁護士・事務局が多く集まりますから、日ごろの苦悩をお互いに察し、強い連帯感が生まれます。

私達、都市型公設事務所に所属している弁護士は、公設事務所としての役割を自覚しつつ、代理人として目の前の依頼者の最大の利益を追求しつつ、ときには、公設といえども独自の事務所ですから費用対効果の採算を考えつつ、一つひとつの事件に取り組んでいる次第です。

都市型公設なんて、あまり知られていない存在かも知れませんが、とても真面目にやっていますから、どうか、憶えて頂けたらうれしいです。

また別の機会があれば、都市型公設ならではの悩みなどもお話しさせて頂きたいと思います。
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多摩パブリック法律事務所

Author:多摩パブリック法律事務所
多摩パブリック法律事務所は、多摩地域の法的ニーズに積極的に応えるため、東京弁護士会の全面的バックアップにより設立された公設事務所です!

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