退所のご挨拶

平成21年1月に当事務所に入所致しました。
入所して以来、「貧困問題」と「刑事事件」という2つの領域で専門性を磨くとともに、
「多摩地域におけるリーガルアクセスの改善」というテーマにこだわって仕事を続けてきました。
また、公設事務所という一般に恵まれた環境で執務できることに感謝し、
関わりを持った業務は積極的に引き受けて参りました。
 これは比喩ですが、そうして積極的に引き受けたところ、
連日押し寄せる仕事の波に溺れそうになって、息絶えだえになりながら、
どうにか「泳ぎ切った」という感覚があります。
円滑に進んだ案件もあれば、私の力不足のために、
皆さまに大小のご迷惑をおかけしたことも多々ありました。
周囲の皆さまに支えられて、ようやく今日に至ります。
 あらためて、在所中に関わらせて頂いた、全ての皆さまに対し、
深くふかく、心よりお礼を申し上げます。

 当事務所を退所したあとは、当事務所と同じ立川市内の南口にあります、
多摩の森綜合法律事務所』に移籍の上、執務を開始致します。
 同事務所は、立川市内において、
基本的にあらゆるご相談をお受けする「綜合法律事務所」であるとともに、
所属弁護士がそれぞれ専門領域を生かして活動している小規模個人事務所です。
 同事務所において、今後一層の研鑽を重ね、
皆さまのためにより佳き仕事ができるよう、精進を重ねて参る所存です。
 今後とも、皆さまのご指導ご鞭撻を賜りたく、重ねてお願い申し上げます。

弁護士の人数と司法過疎・事件過疎

 約3年前に投稿したコラムで、
「各都府県に一つずつ地方裁判所があります(ちなみに北海道には4つあります。答えは次号。)」
と記載したまま、放っておいてしまったことに気づきました。
たいへん失礼致しました。

 そこであらためて、弁護士の人数とからめて少しお話しをさせてください。
 弁護士は、法律により、必ず弁護士会を通じて日弁連に備えられた
「弁護士名簿」に載らなくてはなりません。
また、これも法律に基づき、その地域の弁護士全員が所属する「弁護士会」を、
地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなくてはなりません。
 この点、北海道には面積の広さなどを考慮して、札幌地方裁判所、函館地方裁判所、
旭川地方裁判所及び釧路地方裁判所の4つの地方裁判所が設置されています。
そのため、これら各地方裁判所に対応して、札幌弁護士会、函館弁護士会、
旭川弁護士会及び釧路弁護士会の4つの弁護士会が設置されています。
また、東京には地方裁判所は1つですが、
歴史的経緯から3つの弁護士会が存在しています(東京、第一東京及び第二東京)。
 というわけで、日本全国には合計52の弁護士会が設立されています。

 ところで、日本弁護士連合会(日弁連)の統計によれば、
日本には、2013年3月31日現在で、合計3万3624人の弁護士がいるようです。
これを多いとみるべきでしょうか、あるいは、少ないとみるべきでしょうか。
ちなみに、東京弁護士がもっとも人数が多くて6952人、
函館弁護士会がもっとも人数が少なくて48人となっています。

 東京は、区部と市町村部(いわゆる「多摩地域」)に分かれており、
多摩地域にはだいたい400万人の人々が住んでいるそうです。
これに対して、多摩地域に法律事務所を置いている弁護士は、
だいたい500人と聞いたことがあります。
これも、多いとみるべきでしょうか、少ないとみるべきでしょうか。

 東京や多摩地域は、ほかの地域と比べて弁護士数が多いことは間違いありません。
したがって、いわゆる「司法過疎」の問題を、単純に人数だけで見れば、
東京や多摩地域は弁護士が足りていると評価できるかも知れません。
 他方で、「高齢者」、「障害者」、「外国人」、状況によっては「女性」など、
社会の中で構造的に弱い立場に立たされている方々もいらっしゃいます。
このような方々は、弁護士にアクセスすることが一般に困難と言われています。
この問題を「事件過疎」と呼ぶことがあります。

 事件過疎という切り口からは、多摩地域はもちろん東京にも、まだまだ弁護士が足りない
(≒弁護士が所属する地域に司法のサービスを提供できていない)現実があるかも知れません。
 さらに付け加えると、ここで多摩地域の方々には、個人のほかに、
「中小企業」という自営業者や法人も入ってくることです。
 改善すべき司法アクセスの問題は、相当に幅広いといえるのではないか。
個人的にはそう感じています。

 ※統計データについては、以下のホームページをご参照ください。
http://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/statistics/reform/fundamental_statistics.html

都市型公設について

 とつぜんですが、当多摩パブリック法律事務所は、「都市型公設法律事務所」です。
 「公設事務所」といっても、聞き慣れないかも知れません。
公設事務所の定義は、各地の公設事務所にさまざまなバリエーションがあるため、少し難しいです。あえて説明すれば、公設事務所とは、各地の弁護士会や弁護士連合の支援を受けて設立され、不採算事件の積極的な受任など、ひろく公共の利益にかなう業務を行うことを目的とした法律事務所といえるかも知れません(私見ですが。)。

そのようにお聞きになると、お詳しい方は、法テラスと同じではないかという質問を持たれると思います。実際、パブリックは法テラスとおなじ事務所と思われることが少なくありません。業務内容も共通するところがあります。ただし、法テラスは、国の支援を受けた独立行政法人が運営している事務所です。当事務所は、国ではなく、東京弁護士会の支援のもとに設立されています。したがって、同じようで、じつはけっこう違う存在です。

さて、公設事務所はさらに2種類に分かれます。
ひとつは、弁護士がまったくいない過疎地に設立された、「過疎地型」です。
もう一つは、都市部に在住されているものの、これまで弁護士によるリーガルサービスがなかなか提供されてこなかった方々に対し、広く門戸を開こうとする「都市型」です。

はなしは冒頭に戻りますが、当事務所は、多摩地域に設立された「都市型公設事務所」なわけです。
さてさて、この「都市型公設」は、じつは全国に15か所あります。私は、おおむね北から順番に、よどみなくあげていくことができます(笑)。

すずらん基金(札幌)
やまびこ基金(仙台)
東京フロンティア基金(東京・新宿区)
渋谷シビック(東京・渋谷区)
町田シビック(東京・町田市)
東京パブリック(東京・池袋区)
北千住パブリック(東京・足立区)
渋谷パブリック(東京・渋谷区)
多摩パブリック(東京・立川市)
かながわパブリック(横浜)
大阪パブリック(大阪)
ひょうごパブリック(兵庫)
広島みらい(広島)
岡山パブリック(岡山)
あさかげ基金(福岡)

いずれの事務所も、それぞれの任務を背負い、各地で奮闘しています。
そのような都市型公設事務所は、定期的に交流集会を開いており、今年は第4回交流集会が霞ヶ関で開かれました(写真をご参照くださいませ。なお、第1回は湯河原で、第2回は大阪で、第3回は仙台で開かれました。)。
交流集会②

この交流集会は、つまり、全国の「パブ」が大集合です(もっとも、「広島みらい」さんのように、あえて「パブ」を名乗られない事務所もあります。)。
交流集会③


交流集会①

パブ同士で、さいきんの課題を話し合います。同じ目的意識を持った弁護士・事務局が多く集まりますから、日ごろの苦悩をお互いに察し、強い連帯感が生まれます。

私達、都市型公設事務所に所属している弁護士は、公設事務所としての役割を自覚しつつ、代理人として目の前の依頼者の最大の利益を追求しつつ、ときには、公設といえども独自の事務所ですから費用対効果の採算を考えつつ、一つひとつの事件に取り組んでいる次第です。

都市型公設なんて、あまり知られていない存在かも知れませんが、とても真面目にやっていますから、どうか、憶えて頂けたらうれしいです。

また別の機会があれば、都市型公設ならではの悩みなどもお話しさせて頂きたいと思います。

裁判所への道

各都府県に一つずつ地方裁判所があります(ちなみに北海道には4つあります。答えは次号。)。
そのほか,地域によって,地方裁判所の支部があり,立川には東京地方裁判所「立川支部」があります。
 
 当事務所は立川北口にありますから,裁判所には自転車で通うことが多いです。今日は裁判所へ行く途中の風景をデジカメで撮ってみましたので,ご覧ください。立川北口の広い道路や,遠くに裁判所の偉容が見えます。右側に少し,東京地方検察庁立川支部も写っています。
裁判所①

裁判所②

裁判所③

 ちなみに夏の暑い日に,ぼんやりと道を歩いていると,遠くの白い大きな建物が見えて,「もしかしたらあれは蜃気楼で,そこには何もないかも知れない。」と思ったりしています。冗談です。
 さて,裁判所の近くには,以前のコラムでご紹介した「極地研究所」のほか,「自治大学校」,「国語研究所」,「立川市役所」,「立川拘置所」などの各施設が建ち並び,とても立派な町並みです。
 時間のあるときなどは少し遠回りをして,散歩などもしています。
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多摩パブリック法律事務所

Author:多摩パブリック法律事務所
多摩パブリック法律事務所は、多摩地域の法的ニーズに積極的に応えるため、東京弁護士会の全面的バックアップにより設立された公設事務所です!

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