障害と健常との曖昧な境界

 ちょっと前,しょうぶ学園に行ってきました。

 しょうぶ学園は,鹿児島県にある障害者支援センターです(「障害」という表記に違和を感じる方もいらっしゃるでしょう。「がい」,「碍」,「礙」など様々な表記の工夫がありますが,今回は敢えて「害」の字で統一しました。)。障害者の方々に対し,相談支援,入所支援,ホームヘルパー,グループホーム等のサービスを提供しています。このように説明すると,どこにでもある障害者福祉施設じゃないか,なんでわざわざ鹿児島まで?,視察に託けて旅行に行っただけではないかと訝られるかもしれません。

 しょうぶ学園は,その辺りにある施設とは違います。訪ねて行くと,田舎町に突如,「SHOBE STYLE」と書かれた門が現れます。門と言っても,遮るものはなく,出入り自由です。まるで美術館の入口です。到着しても,「え?ここなの?」という感覚でした。施設内の道端には,本格的な蕎麦屋,おいしそうなパン屋,おしゃれなイタリアンが並んでいます。そして,開けた中庭を中心に,ジブリを思わせるようなカラフルな建物が周りを取り囲んでいます。

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 しょうぶ学園では,そこに集う障害者が「規格」とは無縁に,各々がやりたいことをやりたいようにやって,時を過ごしています。のこぎりで丸太を傷つけることが好きな人は,一日中ずーっと丸太をギコギコしています。周りを自分の好きな模様で染め上げたい人は,ひたすら壁・床・天井をペンキで塗り尽くしています。刺繍糸の玉々を作りたい人は,ひたすらチクチクチクチク縫い物(?)をしています。園内には,そうした活動の場となる工房がそこかしこにあります。

 しょうぶ学園は,障害者の自由な活動の場を提供しているだけに留まりません。障害者の方々が作り出した作品の「断片」を職員の一手間でつなぎ合わせ,アートとして完成させ,販売しています(のこぎりで傷つけた丸太をお盆に加工したり,刺繍の玉を縫い付けたTシャツを作ったり。)。先ほど紹介した飲食店でも,障害者と職員とが共同して,互いに技術を教え合いながら,クオリティが高い料理を提供しています(手打ち蕎麦,焼きたてパン,ケーキ,生パスタなど,どれをとってもおいしいかったです。)。それぞれがやりたいこととできることとを組み合わせて,一緒に価値を生み出しています。障害という属性に頼ることなく(本当に頼っていないかどうかには留保が必要ですが……),市場価値のある作品を作り上げ,流通させ,販売活動で得た資金を再び障害者支援に回しています。

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 視察した日には,施設長の福森伸(ふくもりしん)さんとお話しする機会をいただきました。なんとたっぷり約1時間半。福森さんは,概ね,次のようなことをおっしゃいました。何のためにそれをやるのかという意味を考えずにはいられない,他人の目を気にして型どおりにやらなければ気が済まない健常者と,目的や意味を考えずに自分の好きなことに好きな道筋で取り組んでいる障害者と,本当はどちらが「健常」なのか,どちらが幸せなのか。

 施設内をユートピアとして唯々愛でるだけでは,障害者感動ポルノの一種でしかありません。健常者中心モデルの社会において,目的も意味もなく,好きなことをして好きなように生きようというスローガンだけでは生活していくことができません。それでも,障害者支援の現場で,ひとりひとりの生きやすさと市場経済社会との折り合いを付けようとしている福森さんやその他職員の方々に対し,日々事件と向き合う臨床家の一人として,私は,共感を覚えました。理想と現実との前向きな妥協の形を見ました。

 SHOBU STYLEを直に体感してみると,思考が動き出します。鹿児島観光のルートの一部に組み込んで,ぜひ食事にでも訪れてみてください(それぐらいの気軽さがちょうどいい施設でもあります。)。

 鹿児島に行かずして,SHOBE STYLEを垣間見たい人には,茂木綾子・ヴェルナー・ペンツェル監督「幸せは日々の中に」(silent voice,2016)というドキュメンタリー映画がオススメです!

 ありきたりな問いですが,幸せって何なのか考えてみては。

社会福祉法人太陽会
障害者支援センターSHOBE STYLE
鹿児島県鹿児島市吉野町5066番地

近いところで,刺繍のイベントもあるようですよ。
nui project
平成30年12月12日(水)~19日(水)
DEE'S HALL(東京都港区南青山3-14-11)

終わりは始まり

11月にもなると、“年賀状”の文字を目にする機会が多くなったり、年の瀬が迫ってきていることをひしひしと感じます。

今年がもう終わってしまう!と焦り、今年も何も成し遂げられなかった…などと、反省し始めたりもします。

以前、「地の果てというのは海の始まりでもあり、そこから航海に出ることができる」という言葉に出あいました。
つまり、終わりは始まりでもあるのです。

振り返らずに前に目を向けて、新年の海図を描きたいと思います。
なんて、今年成し遂げられなかった目標を来年に繰り越す言い訳です。

おらおらでひとりいぐも

本年6月に入所しました八木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私は読書が趣味なので、最近読んで良かった本を紹介します。

若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』という本です。芥川賞の受賞作です。
玄冬小説というジャンルのようです。青春小説の対極のジャンルで、歳を取るのも悪くないと思える小説のことをいうようです。

本文は主人公の桃子さんの考えや会話が東北弁で書かれています。
東北弁に馴染みのない私には意味がよく分からない箇所もありますが、そこはまあ、なんとなく雰囲気を読み取れます。

この本は、子育てを終え、夫も亡くなってしまった桃子さんが人生の終盤に思ったこと・考えたことが中心に書かれています。
私はまだ桃子さんの年齢ではありませんが、なぜか共感できる部分がたくさんありました。なぜなのでしょう。

ということで、年齢や性別にかかわらず、共感したり、考えたりすることのできる本だと思います。
ぜひ読んでみてください。

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アルバイトの方より

1.はじめに
 私は、多摩パブリック法律事務所に大学1年生の頃から約4年間、第7期アルバイトとして勤務しておりました。この度、平成30年度地方公務員試験に合格し、12月に退職することとなりましたのでご報告させていただきます。
 多摩パブの先生方、事務局の皆様、そして多摩パブを通じて知り合った方々にはこれまで大変お世話になりました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。

2.多摩パブでの経験 
 多摩パブでは、アルバイトスタッフとして主に受付業務や電話対応などを行っておりました。私が初めて多摩パブに訪れた際、ガチガチに緊張しながら恐る恐る入り口をくぐったことは、まるで昨日のことかのように覚えています。そんな私に対し、多摩パブの先生方や事務局の皆様は気さくに声をかけてくださいました。
 それからというもの、アルバイト経験もなく右も左もわからなかった私を、将来「社会人」として通用するよう、優しくも厳しく指導して下さいました。私自身とても未熟であり、ご迷惑をおかけする場面も多々ありましたが、学生だからと甘やかすのではなく、その都度丁寧にしっかりと指導して頂いたことは、私にとって大切な時間でした。本当にありがとうございました。
 また、多摩パブの皆様や、多摩パブを通じて知り合った方々には、将来の進路や学生生活について悩むたび、よく人生の先輩として相談にのって頂きました。お食事やイベントにもお誘いいただき、たくさんのお話を伺えたことは、学生同士で話す時とはまた違った新たな視点を知るきっかけにもなりました。社会人としてのマナーや礼節のみならず、このような貴重な経験ができたのは、多摩パブでアルバイトをさせて頂いていたからこそだと思います。

3.さいごに
 あらためて私自身の学生生活を振り返ってみると、多摩パブで経験したことや、多摩パブを通して生まれたご縁はとても大きな存在でした。お仕事していらっしゃる様子をデスクの近くで肌で感じることができた事務局の皆様は、私にとって永遠の憧れですし、熱い想いをもった先生方の姿にはいつも勇気づけられました。来年度からは公務員としての道を進みますが、多摩パブで過ごした時間を自信に変え、「市民の駆け込み寺」を支えていらっしゃる皆様の姿を目に焼き付けて、私自身も全力でお仕事に取り組んでいこうと思います。本当にありがとうございました。

散歩

夏も終わり、外出しやすい時期になりました。
私はこの時期よく散歩をします。
音楽を聴きながら景色を見て散歩をするとリフレッシュできます。

通勤、通学、通院等々、時間内に目的地に行くために歩く事は多いですが、散歩はふらっと歩くので、同じ歩行であっても気分的に違います。
シンプルですが、散歩は心身の治療に推奨されることもあるようで、なかなか奥が深いなと思っています。

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プロフィール

多摩パブリック法律事務所

Author:多摩パブリック法律事務所
多摩パブリック法律事務所は、多摩地域の法的ニーズに積極的に応えるため、東京弁護士会の全面的バックアップにより設立された公設事務所です!

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